那須トラピスト修道院は1954年に兵庫県西宮の聖母修道院（女子）から創立されました。パリ・ミッション会のフロジャック師が宮内庁から譲渡された地所の一部を、祈りの家の設立目的で厳律シトー会が譲り受けました。日本におけるトラピストは、すでに1896年北海道の当別に灯台の聖母修道院（男子）が、1898年には函館に天使の聖母修道院（女子）がそれぞれフランスから創立されており、西宮の聖母修道院は1935年にこの天使の聖母修道院から創立されました。1953年には佐賀県伊万里（女子）に、1980年には当別から大分（男子）に、1981年には西宮から沖縄県宮古島（女子、現在は大分県安心院に移転）に創立されて日本の厳律シトー会を形成しています。

「祈り、働け」のモットーのうちになされる、単純な生活です。一日は聖務日課（教会の祈り）、レクチオ・ディヴィナ（聖なる読書）、労働によって織りなされ、沈黙のうちに神を探し求めます。働きによって生活を支える厳しさをすべての人と分かち合い、出来ることは自給し、農業と製菓（トラピストガレット）に励んでいます。戒律と修道院長のもとに共同生活を営み、聖霊の喜びのうちに祈り、神への賛美に自己を捧げる生活を送っています。